アジア太平洋討究
Online ISSN : 2436-8997
Print ISSN : 1347-149X
論文
「1F廃炉の完了2051年」政策の見直しについて考える
松岡 俊二
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2026 年 53 巻 p. 1-10

詳細
抄録

2011年3月11日の東日本大震災に伴う地震と津波により,福島第一原子力発電所(1F)は4つの原子炉や建屋などが連鎖的に過酷事故を起こし,広範囲な放射能汚染と最大16万5千人の避難者をうみだした。2011年12月17日に,1Fの1号機,2号機,3号機は冷温停止状態(原子炉内の水の温度が100℃未満の安定した状態)に達し,日本政府と東京電力は1F廃炉(事故処理)政策を定めた「中長期ロードマップ」を策定した。「中長期ロードマップ」は,2011年12月から30年から40年後には廃止措置(廃炉)を終えると規定されている。これが「1F廃炉の完了2051年」問題である。しかし,今や,ほとんどの原子力分野の専門家は,2051年の1F廃炉完了は無理だと考えている。にも関わらず,国と東京電力は,2011年12月に策定した「1F廃炉(廃止措置)の完了を2051年までに行う」という目標を墨守している。本研究は,国や東京電力が頑なに墨守する「1F廃炉の完了2051年」という問題の本質とその見直しの必要性や見直しの方法論について考察する。

著者関連情報
© 2026 早稲田大学アジア太平洋研究センター
前の記事 次の記事
feedback
Top