主催: Webインテリジェンスとインタラクション研究会
会議名: WI2研究会
回次: 10
開催地: 京都大学百周年時計台記念館
開催日: 2017/07/07 - 2017/07/08
p. 7-12
本稿では,評価値行列からの潜在因子推定に適用した際のRBM(Restrected Boltzman Machine)の挙動を解析した結果について報告する.RBMを情報推薦に適用し,潜在因子ベクトルを推定することで予測評価値を求める手法が提案されている.しかしながら,それらはSYD(Singular Value Decomposition)などの従来手法よりも複雑かつ,計算コストの高いモデルを使用しているにもかかわらず,十分な精度向上が得られないことも指摘されている.精度向上に向けた改良を検討するためには潜在因子推定におけるRBMの挙動を理解する必要があると考えるが,先行研究においてRBMの挙動に関する考察は十分なされていない.本稿では先行研究とは異なる構造でRBMを協調フィルタリングに用いる手法を提案し,その挙動を解析する.人工データを用いた実験を行った結果,条件によっては評価値行列の生成に用いた元の潜在因子ベクトルを完全に復元可能であることを示す.