主催: Webインテリジェンスとインタラクション研究会
会議名: WI2研究会
回次: 19
開催地: 大阪公立大学 杉本キャンパス 学術情報総合センター
開催日: 2023/12/16 - 2023/12/17
p. 77-84
推薦システムにおいて,説明の提示はユーザの意思決定を支援する重要な役割を果たす.特に自然言語による説明文は,アイテム消費を促すのに有効であると知られている.しかしながら,従来研究で扱われてきた説明文は定型文のように表現が画一的なものが多く,そのトーン(フォーマル,ユーモラスなど)には焦点が置かれてこなかった.そこで本研究では,映画推薦を対象とし,ユーザのアイテムへの関与(クリック,閲覧など)を高めることを目的として,説明文のトーンの個人化に取り組む.本稿では,クラウドソーシングを用いて,説明文のトーンとアイテム関与に関するデータセットを構築し,ユーザのアイテム関与が高まるトーンと内容の両方を持つ説明文を予測する行列分解に基づく手法を提案する.収集したデータのクラスタ分析および提案手法のオフライン評価の結果から,トーンと内容の両方を考慮した説明文によりユーザのアイテム関与を高められることが示唆され,個人によってアイテム関与が高まるトーンが異なることが明らかになった.