主催: Webインテリジェンスとインタラクション研究会
会議名: WI2研究会
回次: 20
開催地: 12月1日:オンライン、12月2日~3日:唐津商工会館貸会議室
開催日: 2024/12/01 - 2024/12/03
p. 7-14
Emotional Support Conversation (ESC)は,助けを求める人の精神的苦痛を軽減することを目的としたタスクであり,複数のESCシステムが提案されている.効果的なEmotional Supportを行うために,ユーザーの感情問題に対応するための戦略的側面や,ユーザーの経験や感情に沿った共感の表現を考慮するいくつかの手法が提案されているが,諸側面の効果的な利用には課題が残る.そこで我々は,応答生成時に諸側面を段階的に融合して応答を導く手法を提案する.提案手法は文脈から予測された支援戦略とユーザーの暗黙的な情報を段階的に取り込み,より共感的かつ支援的な応答生成を可能にする.実験の結果,自動評価とLLMによる評価の両方でベースラインを上回る性能を示し,自動評価の観点で内容の正確性や一貫性の指標で改善が見られ,LLMによる評価では共感性の指標で改善が見られた.本研究では,段階的な情報の融合がESCシステムにおいて効果的であることを示し,共感的な支援応答生成の新たな方向性を示唆する.