共催: 画像電子学会, 社団法人 映像情報メディア学会
本報告では、河川の水位監視に特化された新しいタイプの階層符号化(スケーラブル符号化)を提案する。河川映像を撮像するセンサーノードでは、映像信号は時空間基底により帯域分割され、3種類に階層化されたビットストリームとして出力される。第1優先階層には水位検出に有効な帯域信号のみが含まれており、これは水位の常時監視のために超低ビットレートで通信される。水位の「認識」という機能の面で階層化される点が新しい。第2優先階層にはサムネイル映像を閲覧するのに必要な帯域が含まれ、第3の非優先階層には原映像を再生するのに必要な追加データが含まれる。第2、第3の階層については従来の階層符号化と同様である。特に今回は、第1の階層に属するべき帯域を、「認識」の面のみならず「圧縮」の面をも考慮して決定する。結果として、認識性能が3.7%犠牲になったものの、データ伝送量を32.5 % 削減することが可能となった。