抄録
AVメディア技術の発達に伴い,その総合品質を管理・監視できる客観的評価法の開発が望まれている.現在では,単に音や映像における個別の品質だけではなく,これらの相互作用による総合品質への影響を解明する必要がある.そこで本稿では,HD映像と2ch音声を用いて,映像の「明るさ」の変化が主観的な総合品質に与える影響について検討した.SD法による主観評価結果を因子分析することで,5種類の因子が抽出された.次に,これらの5因子と,明るさの関係について検討した結果,「臨場感」を意味する因子が唯一,明るさの影響を受けていた.また,これら5因子すべてが,コンテンツの影響を受けていることが示された.