抄録
現在,屋外の広範囲な火災検知技術の確立が望まれている.これに対し本研究では、火災の初期に発生する煙に着目し、その視覚的特徴(濃度、移動方向、形状)を特徴量とした検出アルゴリズムを提案する。従来より、煙の形状変化や動きから煙の特徴を定義する方法が検討されているが、煙には、これら形状、動き以外に時間の経過とともに濃度が透明化していく視覚的特徴が見出される.そこで,本研究では煙の視覚的特徴パラメータとして濃度・移動方向・形状の3要素を対象に煙の特徴量抽出手法を検討した。具体的には,映像監視用DVカメラから得られる映像をフレーム間差分処理により,時間の経過とともに透明化して移動する形状を表す特徴量を定義し、煙の判定アルゴリズムを求め,実験によりアルゴリズムの妥当性を検証した。今後はアルゴリズムの精度向上,監視システムの実験を進める.