抄録
景観シミュレーションを対象とし,視点からの距離に応じて波のモデルを分けることにより,河川の下流における水面波のリアルタイム表現手法を検討した. 近距離景では,波の詳細表示を行うためにストークス波を波のモデルとして採用し,川岸での反射を考慮した波の変化を表現した. 一方, 中距離景や遠距離景においては, cos波を波の簡易モデルにすると共に,バンプマッピング法による波の疑似的表現を行うことで高速化を図った. 但し, 風の影響は遠距離でも視認できるため、全ての距離景で考慮した.結果として, 約42,000のポリゴン数で構成される川のリアルタイム表現が可能であることが判った.