抄録
水中における物体の屈折を表現する代表的な手法として,レイトレーシング法とリフラクションマッピング法がある.レイトレーシング法は正確な屈折を表現することが可能であるが,多大な計算時間を要する.一方,リフラクションマッピング法は予め計算された周囲環境の画像を用意し,光の屈折に応じたマッピングを行うため比較的高速な表示は可能であるが,動的変化を伴う場合のリアルタイム表示は困難である.そこで,物体を構成する頂点座標のみをスネルの法則により屈折計算し,その間を線形補間することで,水の上で揺れる物体の屈折を実時間で表示する手法について検討する.