抄録
本稿では、動画像系列の時間解像度を向上させるために、元の動画像には存在しないフレームを高精度に再構成するフレーム補間法について検討している。補間過程では、2 枚の既存フレーム間のブロックマッチングにより、2 つ(順方向および逆方向) の動きベクトルが求められ、再構成されるフレーム上の動きベクトルをサブピクセル精度で推定するのに利用される。我々のアプローチは、これらの動きベクトルを画素精度(整数) に丸めることなくサブピクセル精度のまま利用することによって、高精度(高画質) なフレームを生成する。実験を通して、我々の方法は整数精度の平均値補間法と比べ、再構成したフレームのPSNR を3[dB] 程度向上できることがわかる。また、フレーム間隔の増加に伴って性能が低下する問題について言及し、オーバーラップブロックマッチングを用いる対応策についても検討している。