画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会第243回研究会講演予稿
選択された号の論文の32件中1~32を表示しています
開催日:2009年3月5日-6日 会場:鹿児島大学
3月5日(木)
12:30-14:25 座長:堀越 力(NTT ドコモ)
  • 後藤 佑太, 内田 理
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-01
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    近年、各種コンテンツの著作権保護を目的とした電子透かしに関する研究が盛んに行われている。最近では、印刷などのアナログ変換に耐性を有する電子透かし手法も検討されており、カメラ付き携帯電話を対象としたアナログ情報からディジタル情報へ誘導するシステムなども提案されている。本稿では、埋め込み対象画像の色相成分に透かし情報を埋め込む、印刷物向け電子透かし手法を提案する。情報を埋め込んだ画像を印刷し、スキャナで読み取ったデータから検出を行う実験を行ったところ、提案手法の有効性が確認できた。
  • 野島 伸広, 小杉 信, 向井 信彦
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-02
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では,風景画像のデータベースより,画像内容に基づいて類似画像を検索するのに必要な画像特徴量の選択方法について報告する.画像の内容を表す特徴量は,色,エッジ,テクスチャ,周波数など多岐に亘っている.そこで,これらの画像特徴量を組み合わせた検索実験を行うことで,風景画像を検索する際に有効な特徴量の組み合わせを見出す.画像を正方ブロックに分割し,ブロックごとに上記特徴量を計算して,データベースの中から参照画像に近い画像を類似度の順に選定する.一方,被験者は類似性の適否を感覚的に判断する.本手法を用いた実験の結果,3,684枚の画像から各検索結果の上位10枚を提示したところ,80%の画像が人間の主観に近いことを確認した.
  • - 並列プロセッサの検査処理適用に向けた検討 -
    國分 博之, 茶薗 祐毅
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-03
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    カメラのカラー化・高画素化に伴い画像処理装置の計算負荷が増大している。そこで、処理時間の低減を目的としてGPGPU(General Purpose computing on Graphics Processing Unit)の適用を検討した。GPGPUの開発環境として、NVIDIA社のCUDA2.0を代表として選定した。検査処理に適用可能な代表的な処理として、単純二値化・シェーディング補正・テーブル参照・色検査処理・フィルタ処理を選択し、処理時間についての検証を行った。結論として、GPGPUを適用することにより処理時間・計算負荷の低減が実現できる。
  • 大内 優子, 上野 育子, 亀田 昌志
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-04
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    脳疾患の治療には早期発見が重要であるが,脳ドック等は費用や検査時間に対する負担が大きいことから,家庭にいながら脳の異常を見つけ出せるMRI(Magnetic Resonance Imaging)の開発が望まれている.MRIを家庭に設置するためには,危険性を伴わない超低磁場での運用が必須であるが,このような装置から得られる超低磁場MR画像は,病院等で使用されている高磁場MR画像と比べて組織や病変部が不鮮明となるため,疾患検出が難しくなる.本研究では,脳MR画像の特徴の一つである左右対称性を利用し,左右脳に存在する組織の対応付けを行う.それに基づいて,超低磁場脳MR画像における,病変部とその周辺の輝度勾配を表す輝度等高線を特徴量とした疾患検出を行う.
  • 伊藤 淳也, 中村 彰宏, 朴 鍾杰, 松下 孝太郎, マッキン ケネス・ジェームス, 布広 永示
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-05
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    東京情報大学における学術フロンティアの研究成果として,蓄積されている衛星画像MODIS データの中から必要な画像情報を抽出して解析するシステムの開発を行ってきた.本研究では,これまでに実装してきた機能のWeb 対応化を行った.Web 対応化に関してはWeb サーバ・アプリケーションサーバを構築し,ブラウザに対応したGUI を新たに作成した.本稿では,Web に対応した衛星画像データ解析システムの概要,性能評価結果などについて報告する.
14:35-15:20 座長:越智 宏(画像電子学会企画委員長/日本大学)
15:30-17:02 座長:小林 直樹(埼玉医科大学)
  • 栗原 亮, 井上 哲理
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-07
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    代表的な没入型ディスプレイであるCAVE型ディスプレイの臨場感の高い表示能力を示すものとして,視覚誘導運動効果が現れやすいことが挙げられる.視覚誘導運動効果とは自分自身は静止しているにもかかわらず運動している対象を見ている際に自分が動いている感覚を持つ現象である.本研究では運動するパターンの前面に見える前景画像に注目した.前景画像として電車内や部屋内等の画像を再現して,誘導運動の起こりやすさを比較して,このような日常的風景がディスプレイによる誘導運動効果に与える影響を検討した.
  • 小長谷 実希, 水上 嘉樹, 松田 憲, 多田村 克己
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-08
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本論文では,SMF 形式で記述された楽曲からユーザの好みを考慮した照明パターンを自動的に生成するシステムを提案する.クリスマスのイルミネーションなど,プログラマブルなLED 照明を活用して楽曲との相乗効果を狙った演出照明が盛んになってきている.特別な専門知識を必要とすることなく楽曲毎の照明パターンを作る手段を提供できれば,応用先が広がることが期待できる.提案手法は,曲調,テンポ,音高,音量の4項目に注目し,これらをSMF 形式で記述された楽曲から取り出し,照明切替えのタイミングとその時の光色及び光量に変換す規則を定め,これにユーザの好みを加味した照明パターンを自動的に生成する.提案手法により作成した照明パターンに従うLED 照明機器の点灯と,その基になった楽曲を同期させて再生する被験者実験を実施し,楽曲と照明の一体感を評価した.
  • 中村 亮太, 赤松 茂
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-09
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本論文では,発話時の顔の動画像から抽出される口周辺の動きの情報を用いることによって,音情報によらずに発声単語の自動識別を行うシステムについて述べる.時系列画像の各画素における動きをOptical Flowの算出によって求め,これらから口の周辺の速度の空間的な変化を表す特徴を抽出した.この速度特徴を用いて,発話の時間間隔を決定し,単語発声時の速度分布の時間的変化を表す高次元の特徴ベクトルを求めた.提案された特徴による発話単語認識に関する基本的な性能評価として,「ありがとう」「こんにちは」を含む発話5単語の識別実験を行い,良好な結果が得られた.
  • - まばたきの有無による肖像写真入力の検知 -
    鈴木 孫一郎, 柴 直己, 赤松 茂
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    近年様々な生体認証システムが研究され実用化されている.特に顔認証は,普段私たちが他人を識別する際に行っている認証であるため,ユーザへの負担が低く社会的に受け入れやすいという利点がある.しかし,顔認証は肖像写真による“なりすまし”の防止が重要となってくる.そこで本論文では,人が自然に行う瞬きを基に肖像写真を検知するシステムを考案した.入力された画像中から目・鼻領域を検索し,現在の環境に合ったテンプレートを作成する.各フレームでテンプレートとの類似度を求めて,その類似度の変化から瞬きを検出する.ある一定時間の間に瞬きを検出できない場合,肖像写真であるとして排除した.
17:12-18:52 座長: 羽鳥 好律(東京工業大学)
  • 桃木 陽平, 青木 工太, 長橋 宏
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    ロボットの三次元環境の理解は,実環境に配置されたランドマークとランドマークの位置・意味を含むロボット内部の地図を対応づけることで実現される.しかし,環境に応じた情報をロボットに手作業で与える作業には多くのコストが必要である.そこで,本研究では,ユーザがランドマークにしたい物体をデジタルカメラで撮影し,その画像を用いて地図にランドマーク情報を付加するシステムを提案する.本システムでは,画像ベースでロボット内部の地図を作成することにより,SIFT特徴を用いてロボット内部の地図とランドマーク画像とを対応づけを可能にしている.
  • 佐藤 公則, 大野 敬弘, 鹿嶋 雅之, 渡邊 睦
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-12
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    現在、銀行ATMなどでは暗証番号として、4桁の数字が多く利用されている。また一方ではカードの偽造や、暗証番号入力時の盗撮はあとをたたないのが現状である。そこで暗証番号の入力画面の数字の配列を変えるといった工夫もされている。また最近実用段階に入った、手のひらや指を利用した静脈認証システムを設ける銀行が増えている。しかし静脈認証といった生体情報によるセキュリティは、偽造や盗難、盗撮が困難なため安心ではあるが、反面その導入コストはかなりの高額となる。また、指紋や手の静脈といった生体情報であるがゆえに、障害などによりユーザが使えない場合があり、また機器に接触しての認証となるため人によっては嫌悪感を抱くなどといった心理的抵抗も否定することはできない。本研究では赤外線カメラを使用したセキュリティキー入力システムの開発を行う。本提案システムは手形状パターンを4つ挙げ、手形状パターンを暗証番号の替わりにしてセキュリティキーとするものである。
  • 廣瀬 誠
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-13
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究は,様々なフォーマット形式の形状データをWeb上において協働作業で編集・保存し,異なる業種・分野間で効率的に活用できるシステムを考案する.本稿では,このシステムの統合モジュールについて報告する.Web上において協働作業で形状データを統合するためには,機関,企業および個人が提供する大きさ,位置,向きおよび解像度の異なる形状データ同士を位置合わせしなければならない.本報では,目視による手動位置合わせと形状データの拡張ガウス球を用いた自動位置合わせの2段階による半自動(semiautomated)位置合わせ手法によって,位置合わせの実現を試みた.また,Web上における形状データの編集・閲覧では,ストレスフリーな操作・表示が必要となる.しかしながら,表示するポリゴン数の増加に伴って表示速度は低速になり,編集・閲覧作業が遅々として進まない状況になることもめずらしくない.つまり,編集・閲覧作業で扱う形状データのポリゴン数を極力抑える必要がある.そこで,形状データの総ポリゴン数に応じて画面を分割し,一画面に表示するポリゴン数に制約を設ける手法を考案した.本報では実験によりその有効性を示し,表示の遅延の改善を試みた.
  • 隈 浩司, 竹内 康人
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
3月6日(金)
8:30-9:39 座長:松本 充司(早稲田大学)
  • - MAP推定による補間手段選択の効果 -
    久下 哲郎
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-15
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    入力(元)画像の2次元Wavelet解析により,各画素位置毎の空間方位の相関性を計算し,空間方向性のshift variantな補間演算を用いて,より稠密な新たな標本点を推測し,高精細画像を生成する手法を進めている。今回は、補間演算を行う2次元フィルタの選択に、周辺画素領域の特徴統計量に基づくMAP推定を用いる効果について報告する。
  • 横山 あみ, 久保田 彰, 羽鳥 好律, 酒澤 茂之
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-16
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    近年のCCD,CMOS センサの微細化により,携帯電話,ビデオカメラ,テレビなど様々な機器で扱われる画像や映像の解像度が向上している.しかしながら一方で,監視カメラ,防犯カメラ,人工衛星などの限られた環境では,コストや消費電力を低く保つことが求められ,安価な撮像系で高解像度の画像を取得したいという要求がある.本論文では,複数の低解像度の画像を用いた超解像の手法を提案する.従来は写真や文書など奥行き一定のものを対象とした手法が一般的であったが,本論文では一般的なカメラで取得される画像を想定し,奥行き変化のあるシーンを対象とする.CG シーンを利用したシミュレーションを行い,本手法の有効性を示す.
  • 田村 佑太, 武久 泰夫, 田中 清
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-17
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    フラクタル符号化では,まず,画像全体を重複のないレンジブロックに分割する.次に,各レンジブロックを,同じ画像から切り出したレンジブロックよりもサイズの大きなドメインブロックの縮小写像を用いて近似する.この方法は符号化する画像に含まれる自己相似性を利用するため,抽出したフラクタルパラメータ(IFS 符号)を直接画像拡大に利用することができる.しかしながら,IFS 符号を用いて拡大した画像の品質は,ブロック近似によって生じるノイズによって,必ずしも十分とは言えない.この問題を解決するために,本稿ではIFS 符号を用いて拡大した画像の品質を向上させる3 つの方法を提案する.すなわち,(i) 複数のドメインブロックを利用する方法(MDB),(ii) 複数のレンジブロックを利用する方法(MRB),(iii) (i) と(ii) を複合した方法(MRB+MDB) である.シミュレーション実験により,
9:39-10:48 座長:堀越 力(NTT ドコモ)
  • 斉藤 宏平, 松永 一誠, 伊藤 稔
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-18
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    拡大・縮小画像を補正する場合,倍率のみならず,倍率中心が予め高精度に検出されていることが必須である.そのためにはまた,倍率中心が画像中心から離れた位置である場合の倍率検出精度が高いことが要求される.本論文では,先ずSPSA 法による倍率検出法について,検出精度の倍率中心位置依存性について明らかにする.次に,倍率変化の中心位置を算出する新規な倍率中心位置検出手法を提案する.実験には特徴の異なる典型的な3種類のパターンの基準画像と検査画像を用い,倍率変化が倍率中心位置に関わらず高い精度で検出できることを明らかにするとともに,倍率中心位置検出が高い検出精度で検出できることを明らかにし,提案手法の有効性を明らかにした.
  • 武久 泰夫, 原 浩児, 田中 清
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-19
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では、動画像系列の時間解像度を向上させるために、元の動画像には存在しないフレームを高精度に再構成するフレーム補間法について検討している。補間過程では、2 枚の既存フレーム間のブロックマッチングにより、2 つ(順方向および逆方向) の動きベクトルが求められ、再構成されるフレーム上の動きベクトルをサブピクセル精度で推定するのに利用される。我々のアプローチは、これらの動きベクトルを画素精度(整数) に丸めることなくサブピクセル精度のまま利用することによって、高精度(高画質) なフレームを生成する。実験を通して、我々の方法は整数精度の平均値補間法と比べ、再構成したフレームのPSNR を3[dB] 程度向上できることがわかる。また、フレーム間隔の増加に伴って性能が低下する問題について言及し、オーバーラップブロックマッチングを用いる対応策についても検討している。
  • Jakchai BUTSRIKUI, Mitsuji MATSUMOTO
    セッションID: 08-05-20
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    Abstract All of current On-line handwriting recognition text input method for Thai scripts systems is based on traditional writing system or natural writing. They tried to fulfill user satisfaction by providing a user friendly and easy-to-use system. Those systems allow user to write freestyle unconstrained handwriting, which is perceived as very convenient. Nevertheless, in practice users have found an error in recognition frequently. Our proposed method aims to reduce the error rate through a different way of thinking. We design an easy-to-write constructed scripts based on a dot line of the scripts, which children use for their handwriting practice. We will not be concerned about headings and lines, but points. Only significant points which represent that script will be used in recognition process. If we draw the straight line between those points, the shape of the script will be similar to one of the simple unconstrained handwriting, which is easy to write. We hope that with this method the error recognition rate will be reduced.
10:58-12:30 座長:小林 直樹(埼玉医科大学)
  • 眞鍋 和寛, 池田 聖, 井村 誠孝, 眞鍋 佳嗣, 千原 國宏
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-21
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究では,水中の奥行きが既知の対象を撮影し,空気中での観測画素値に取得画像を補正する手法を提案する.本手法では物体表面の反射率,奥行き,光源環境,散乱係数,吸収係数から観測画素値を算出する減衰モデルを用いる.まず,反射率が既知のマーカを計測し,減衰モデルで算出した画素値と観測された画素値が一致するように散乱係数と吸収係数を最適化する.次に,補正する対象物の画像と上記係数から対象物の反射率を算出し,画像を補正する.実験では,自然環境を模して緑に着色した水中で奥行き60cm の位置の平面状の対象物を計測し,空気中に近い画素値に補正されることを確認した.
  • 小川 なつき, 川端 晃一, 長田 光史, 伊藤 稔
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-22
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    被撮影パターン板からカメラに入射する光線軌跡を求め、その軌跡から直接的にカメラパラメータを取得するカメラ校正法(Direct Camera Calibration, DCC)を提案し、処理手順、光軸補正法、および、実験結果について報告する。従来の校正法は、予め位置と属性が既知であるマーク又は特徴点について、実画像上の位置と物体上の位置が一致するようにカメラパラメータを算出する間接的手法によっていた。提案する校正法は、光線軌跡を用いるためカメラの内部パラメータとは全く独立して外部パラメータを算出できる特徴がある。このため非中心投影系でもカメラ校正ができるという汎用性を備えている。本稿では、この手法を使って外部パラメータを高精度に算出できることを示す。
  • 妻鹿 大祐, 浜田 長晴
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-23
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    多軸工作機械の導入が進んでおり、工具と加工中の工作物との衝突をさけるために、加工物体の三次元形状推定が重要になってきている。本稿では、機械加工によって金属表面に発生する加工目を形状推定に利用することを提案するとともに、視点位置の異なる複数の加工面の画像を利用して加工目からの反射光の形状歪みを除去でき、加工物の形状推定ができる見通しが得られたことを報告する。
  • 吉場 拓也, 上野 健司, 伊藤 稔
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-24
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿ではガラス板を対象に受動式手法を用いて新規な高精度位置形状計測手法を提案する。コンピュータビジョン分野で研究・開発されてきた多くの物体の三次元位置・形状計測法は拡散反射物体を対象とした手法であり、ハイライトの強い物体やガラスを含む透明物体を対象とした研究例は少ない。既に提案した鏡面計測法ではパターン板を二枚用い、固定された一台のカメラで位相をずらしたパターンの虚像を観測し、その虚像から位置と表面の形状を幾何学的に算出する手法である。しかしこの手法はガラス板に対しては、入射光が表裏でそれぞれ同時に反射するために、そのまま適用することができなかった。本論文では、パターン板上の表示パターンを最適にすることにより、反射光の表裏成分を分離し、ガラス板表面の高精度な計測を可能とした。
13:20-14:52 座長:小野 文孝(東京工芸大学)
  • 竹内 康人
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-25
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    新規な考えによる写真の美学(photogeny)および該写真の応用を提案する。可視領域における色相(色度, Hue or Chrominance)情報に輝度(Luminance)情報としてB、G、R ないしNIR(近赤外)のバンドの画像を適用する。一例として、近赤外の輝度に可視の色相を付与した画像は近赤外域に特徴的な遠方の透明度ないし視認性の良さと視覚の常識に準じた色相とを両立させた、一見不可思議ながら新しい感覚の画像になる。また可視領域内部同志でも色相を共通に得つつもR、G、B 各々のバンドを特定的に輝度情報として採用すると各々が特徴ある印象の画像になる。これらの画像の写真美学ないし様々な用途は今後開拓する。
  • 島田 洋輔, 玉木 徹, 金田 和文
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-26
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    フォトリアリスティックレンダリングの分野においては,レンダリング結果のハイダイナミックレンジ(HDR)の分光分布情報をできるだけコンパクトに記録する方法の開発が望まれている.本研究ではHDR のスペクトルデータを保存,活用できる新しい画像記録方式の開発を行った.膨大となるデータは異なる基底関数を併用した正規直交基底変換を適用し寄与が少ない係数を削減することでコンパクトにデータを保存する.表示の際はトーンマッピング手法を用いることで実世界の輝度を再現した表示を行うことができる.さらにこの画像記録方式で保存されたデータを再利用しレンダリングを行うことで光学現象がさらにリアルに表現できるようになる.
  • - 周辺輝度による色相の変化 -
    三鴨 道弘, 島田 洋輔, Marcos Slomp, 玉木 徹, 金田 和文
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-27
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    ハイダイナミックレンジ(HDR)画像をディスプレイに表示するためトーンリプロダクション手法が用いられる.これはディスプレイに表示された画像から受ける印象を実世界から受ける印象に近づけるように出力する方法である.本研究では人間の薄明視における視覚特性を考慮したトーンリプロダクション手法を提案する.すなわち,輝度によって色の見え方(色相)が変化するという視覚特性を考慮した手法である. 反対色理論を用いることで相互の色の関係を保ちながら,色相の目立ち方を変化させる.この結果,画像の輝度の低い場合には青成分が目立ち,赤成分は目立たなく表示される.本研究では,スペクトルデータを格納したスペクトル HDR 画像を使用する.
  • 内田 祐輔, 笠上 弘行, 小杉 信, 向井 信彦
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-28
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では,2 次元地図とレーザスキャナデータ(以下LS データ)の解析により,河川の高度や形状を推定し,標高を持つ3 次元景観を再現する手法について報告する.LS データは,航空機に搭載したレーザ照射装置を用いて地表面の標高を測定したものであるが,上空から地表面が見えない場合や水面の場合は大きな誤差を持つ.そこで,まずLS データから建物や樹木などの高さを除去し,河川周辺の地表面の標高を再現した.次に,2 次元地図から河川領域を抽出し,この領域に対応するLS データから川底の標高を算出した.さらに,地図の河川輪郭を基に曲線を生成し,河川輪郭を滑らかに再現した.以上の処理で得られた地表面の標高と川底の標高を組み合わせ,正しい標高をもつ河川周辺の3 次元景観を再現した.
15:02-16:34 座長:大塚 作一(鹿児島大学)
  • 森住 祐介, 松尾 賢治, 久保田 彰, 羽鳥 好律
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-29
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究では,手持ちカメラを顔の前で振るという,新しい認証方式を提案し,その実現の可能性を検証する.このとき,パラメトリック固有空間法を用いて,撮影で得られた時系列の画像集合を,多次元の空間上の時系列な軌跡として特徴量を抽出した.この軌跡の照合に,時間の変動を吸収する相違度計算が可能な,DP マッチングを用いた.提案手法の有効性を実証する実験として,本研究では3 種類の検証を行った.検証実験の結果,登録時と認証時で同じ動作を行った場合,固有空間上の軌跡はほぼ一致することを確認した.また,認証率の精度を検証した実験では,等誤り率EER = 3.2% を得ることができた.
  • 芦川 裕太, 岡本 教佳
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-30
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿では,局所的な照明が変化した場合にも対応できる人物抽出法を提案する.近年,照明コスト削減のため戸外の光を取り入れる建物が増えている.そのため,屋内においても屋外の局所的な照明変動が発生し,人物検知の妨げとなる.このことに対応するため,照明変動にロバストであるRadial Reach Correlation(RRC)を改良することを検討する.RRC では,注目画素とペアとなる画素とのテクスチャを用いることで局所的な照明変動に対してもロバスト性を維持している.本手法では一定領域のテクスチャを取得することで,局所的な照明変動に対応する.実画像を用いた人物抽出実験を行い,昼間における照明とり窓からの局所的な照明変動と,夜間における全体的な照明変動への対応が可能であることを示した.
  • 福元 俊, 鹿嶋 雅之, 佐藤 公則, 渡邊 睦
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-31
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    現在のシステムへの操作は,パソコンや空調など,利用者が意図的・意識的にするものである.利用者にシステムの操作,またはその存在を意識させずに動作できれば,利用者にとってより自然で,親和的な支援を行うことが出来る.利用者にシステムの存在を意識させずに支援するには利用者の状態を読み取る必要がある.よって,本研究では動画像に写る人物の挙動を解析することによりその人物の内部状態を推定することを目的とする. 現在は,暑い・寒い・平常状態を推定目標としており,その状態のときの代表的動作を認識することで人物の状態を推定する.動作特徴として,オプティカルフロー計算結果から,長さで重み付けされた角度ヒストグラムを作成したものを用いる.4 人の被験者に,こちらで選んだ13 動作を行ってもらい,角度ヒストグラムが認識に使用可能な特徴であることを検証した.
  • 星 隆, 岡本 教佳, 阿部 清彦
    原稿種別: 一般
    セッションID: 08-05-32
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 認証あり
    近年,人間の視線方向を検出し,コンピュータに文字などを入力するための視線入力に関する研究が行われている.この研究では,眼球以外の運動を必要とせず運動機能を制限された人たちでも使用できる利点がある.現在までに考案されてきた多くの視線入力システムは特殊な機器を使用するものが多い.本研究の先行研究として自然光下において家庭用ビデオカメラを用いることで使用できる視線入力システムがある.このシステムでは,頭部が大きく移動しないよう機器を用いて頭部を支えていることが前提となっている.そこで本稿では重度肢体不自由者を対象としていたものを,より汎用的にするため,大きな頭部移動を補正することを述べる.
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