抄録
二次元画像から三次元的なオブジェクトの距離,あるいはオブジェクト間の距離(depth)を画像処理手法によって推定する場合,通常はステレオカメラ等により複数枚の画像を撮影し,これを利用して距離情報を得ることが一般的であるが,コスト・利便性などが問題となる.一方,一枚の静止画像からシーン構造理解(学習)によってdepth 情報を推定する研究が行われているが,学習のために非常に多数の画像が必要であり,効率的なdepth 推定のためには大きな計算コストが必要となる.本研究は,この点に着目し,単一画像から学習を経ることなくdepth 情報を推定する方式の基礎検討を行ったので報告する.