抄録
本研究は、私たちがもつ銀塩写真への特別な思い入れを実現できるような疑似体験(VR)システムを、銀塩写真システムのデジタルシミュレーションとCGを組み合わせることによって構築しようとするものである。シミュレーションはVisual Basicでフィルムの中で起きている化学過程をの計算。撮影の部分は平均入射光量子よりレセプターの入射量子数をポアソン分布を用いて求める。現像の部分は電池反応と拡散に関する式を用いてデジタルシミュレーションする。アニメーションはCGで銀塩写真の画像形成プロセスを再現するように作成する。撮影の部分はフィルムの種類とカメラの種類を選べるように作成する。現像の部分は現像液の種類を選べるように作る。最後得られた写真が銀塩写真を感じさせることを鑑賞する。