画像認識に比較して3 次元物体の認識の研究は手法、具体的な応用例ともにきわめて少ない。これは画像認識と異なる3 次元処理の技術的困難さを示している。しかし、われわれは3 次元空間に生活しており、3次元空間内の認識処理技術が確立されれば、画像認識を凌ぐ重要性を持つことが容易に想像できる。近時、3次元空間の認識対象として手話認識がたびたび取り上げられる。手話に認識は3 次元時系列の認識であるが3次元データの取得、変化に富む3 次元軌道の認識は画像認識に比して困難さを伴うものであり、従来、多くの研究例があるとは言えなかった。本稿では手話を構成する3 次元軌道のデータ取得にモーションキャプチャを用い、軌道のマッチング尺度には3 次元回転フリーなProcrustes 距離を採用した。11 種、110 サンプルについてパラメータを変化させつつ各種の認識実験を行ったところ、最高81%の認識率が得られた。