抄録
再正規化時にフラッシュ(符号確定)を行い下位アドレスの継承を不要とすることで高速化を図ると共に,後続のシンボルを組み合わせてフラッシュに伴うロスの生じない領域に再分割を行うことにより符号化効率の低下を防止する算術符号化の検討を行う.本稿では,以前の提案での再正規化条件を緩和することにより符号化効率の向上を図ると共に,現実的な大きさの状態遷移テーブル(ルックアップテーブル)を参照することにより符号化・復号処理が実現できることを示す.また,低LPS確率での符号化効率の向上のために,システムの複雑化を抑えつつレジスタ長を増大させた場合の設計手法と性能を紹介する.