抄録
伝統的なフォントは1個の文字に対する描画プログラムを1個の描画ルーチンとして持つ.しかし,漢字など,汎用的な少数の図形的要素を組み合わせて多数の字形データを作ることが可能な文字の場合,現代のフォントは図形的要素を描画するルーチンを複数回呼び出して複合グリフを作ることもできる.この手法をとる場合,できるだけフォントに格納する図形的要素の数を削減するため,それらの拡大縮小にヒント情報を活用するものがある.このような方式をとるフォントはヒントの適用に強い制限があり,ヒント適用の柔軟性がない.電子文書に埋め込まれたこのようなフォントをどのように特定するか,その手法について検討する.