ストレスは自律神経活動に何らかの影響を及ぼすと考えられるため,自律神経支配である瞳孔面積を計測することにより自律神経の活動状態を推定し,間接的にストレス状態を推定できる可能性がある.本研究では,ストレス計測を目的とした非装着型瞳孔計システムを開発し,瞳孔面積ゆらぎの解析方法について検討した.画像計測による瞳孔計測では,瞬きなどの閉眼区間においてノイズが重畳しデータの欠損が生じる.この欠損をスプライン補間することにより,瞳孔面積変化の周波数解析を可能とした.寒冷負荷実験の結果,瞳孔ゆらぎを周波数解析したパワースペクトルの総和が自律神経活動状態によって変化し,ストレス計測の指標となりうることが示唆された.