抄録
インパルス性雑音を検出し除去する手法のひとつとして,我々は,多方向型スイッチングメジアンフィルタ(多方向SMF)を提案した.多方向SMFは,雑音検出のためのしきい値設定を必要とする.その適切な値は,画像ごとのエッジの量に応じて異なる.この点に着目し,本稿では,多方向SMFの改良手法を提案する.本手法では,画像を分割し,場所ごとのエッジ量に応じたしきい値を設定することで画質を改善する.通常,実験ではSIDBAなどの試験画像が使われることが多い.それらの画像は,近年扱われる大規模画像と比べると,画素数が少なく被写体が古い.そこで,実用的な画像として大規模画像を使い実験を行ったので,その結果を報告する.