抄録
西洋料理で用いる洋食器の操作にはエビの殻むきなど西洋人でも困難な操作がある.本研究では,複雑な洋食器の操作練習システムを構築する前段階として,ナイフとフォークを用いて肉を切る動作の練習システムを開発する.肉の物理特性を考慮し,切断による肉の変形動作を視覚だけでなく力覚を伴って表現する.なお,肉の変形計算には有限要素法を用いる.有限要素法では,ヤング率やポアソン比といった物理特性を用いて弾性体の変形を扱うことができるため,精度の良い変形と反力計算が可能である. また,肉の画像から脂身部分を抽出し,脂身部の割合に応じてヤング率を変更することで,現実感のある肉の切断を実現する.