抄録
仮想空間を利用した避難訓練用ウォークスルーシミュレータでは、移動の自由度が大き過ぎるため、経路が複雑になると初心者は意図した通りに移動できない事が多い。この問題は、2地点間の移動経路の選択の余地をなくして、前進や停止などの指示のみで仮想空間中を移動可能にすることで解決できる。また、今後の高齢化の進展を考えると車椅子を押しながらの避難訓練を想定する必要がある。この場合は、移動物体の大きさと姿勢(向き)を考慮する必要がある。本論文では、瓦礫などの障害物が散乱した道路上でも、移動対象の大きさと向きを考慮した経路を自動生成可能な手法を提案する。