抄録
手は,人体のなかでも周囲の物体と最も頻繁にインタラクションするため,第一人称的にもきわめて誘目性の 高い部位である.一般的な手の CG モデルは,表面メッシュとボーンから構成されている.しかし,実際には腱や筋肉と いった器官も内部に存在する.筋肉の収縮のような動きも外見に変化を与え,キャラクタに力感を与える.表面メッシュと ボーンとの重みづけだけで内部構造の動きによる外見の変化や力感を再現するのは困難である.そこで本研究では,手の内 部構造をスカラ関数として表現し,内部構造の動きによる手の表面の変化を陰的にモデリングできる手法を提案する.