画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会第285回研究会講演予稿
セッションID: 17-04-018
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シネマトグラフィ・デッサンの実践
-プリビズ的手法による映像デッサンを用いた映像言語習得のための教育効果について-
*秋山 貴彦
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抄録

美術教育に於いて、デッサンを行うという行為は、絵画技術の上達や画力習得の上で、古くより一般的に行われている手法である.そこでは、単に事物の模倣を行い、立体物を平面に写し取るという技術側面だけでなく、事物の本質を捉えるための様々な教育的効果も内包している.映像教育を実践する上でも、既存の映像作品を模倣することで得られる効果は、単なる視聴に比べ絶大である.しかしながら、映像作品の模倣には、多大なコストや労力、人手がかかり現実的ではない.そこで映像作品を 制作する初期段階(プリプロダクション)で作成する絵コンテ、Vコン、プリビズ[1]などの設計図を類推し、その模倣を行うこと は比較的容易である.特に、3DCGツールを使ったプリビズ制作などの手法を用いて、既存の映像作品の模倣(デッサン)を行うことで、映像の時間的、空間的解読が可能となり、映像作品を成り立たせている要素を具体的に把握、分析することができる.こうしたメソッドをシネマトグラフィ・デッサン[2]と呼称し、簡易的な手法を用いながら、複雑な映像言語を学び習得するための教育的効果を上げる方法論として、これまでの実証成果も含め発表することを目的とする.

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© 2018 一般社団法人 画像電子学会
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