抄録
液体シミュレーションでは,密度情報や速度情報をボリュームデータとすることで全体を可視化でき
る.しかし,時系列ボリュームデータは空間的にも時間的にもデータ量が大きくなりやすい.そこで本研究では,
空間圧縮である VDB に動き補償予測を加えて時空間的な圧縮を行う手法を提案する.データ量の圧縮率や PSNR
による誤差の評価実験を行い,動き補償予測によって差分データを加えることで,元のデータとの誤差を小さくし
損失を減少できることを実証した.一方,圧縮率については,差分データを全て抽出した場合に VDB よりも低下
することを確認した.そこで,数値の変化が小さい頂点を差分データとして抽出しない,という改良を行うことに
より,VDB よりも圧縮率が高くなることを実証した.