抄録
ヒトは同じ長さの時間でも,その時の身体状態や環境によって時間の流れを短く感じたり,長く感じたりする.このように,ヒトが主観的に時間の長さを推定することは「時間評価」と呼ばれている.時間評価は近年の研究により,BGM や心拍数などの刺激のテンポによって変動することが明らかとなっている.しかし,これらの研究は参加者が受動的な状態で測定した研究であり,能動的な状態であるゲームプレイを対象とした研究はない.そこで,本研究では能動的な状態での時間評価を計測するために,テンポの異なるデジタルゲームを参加者に遊んでもらいながら,ゲームのテンポが時間評価に及ぼす影響を調査した.