抄録
近年,CG 等の映像コンテンツの高解像度化が進んでいる。しかし,高解像度のレンダリングには長い時間を要する。そこで,本研究では,超解像処理にはあまり時間はかからないことを利用し,低解像度でレンダリングした画像に超解像処
理を行うことで,高解像度でレンダリングした画像に近い画質を保ちつつ,レンダリングを高速化できるのではないかと考えた。実験の結果,超解像処理を用いることでレンダリングにかかる時間を大幅に短縮することができた。一方で,画質はシーンによる差が大きく,劣化がひと目でわかるシーンもあったことから,高解像度画像の代わりに超解像処理後の画像を使えるとは言い難い結果となった。この差を客観的に示すため,シーンの解析を行った。その結果,TecoGAN は高周波成分が多く,色の分散が大きい方が超解像処理をうまく行えることがわかった。