抄録
本稿ではグラニュラーシンセサイザーの音源準備のプロセスを自動化するためのシステム構築と、ユーザーの入力画像が持つ印象を元にプリセット音源の持つ周波数帯域への関連付けを行い、利便性の向上と新たなインスピレーションの付与を狙った。システムは画像入力を元にRGB ヒストグラムを用いた類似度を用いグレインプリセットを選出しOSC を用いてプリセット送信を行うPython スクリプトと、入力音源のプリセット読み込みと発音音色の音高をMIDI により変更が可能なPureData によるシンセサイザーパッチから成り立っている。ユーザーの入力画像による印象とグレインプリセットの持つ周波数特性を結びつけるために、画像による印象とプリセットの持つ周波数帯域による印象評価アンケートを作成し、入力画像に対して印象の類似度が高い画像を多く保有するグレインを選出する手法を用い、入力画像に対し印象が近い周波数帯域のグレインを選出させる手法を提案した。