抄録
海中で撮影された画像は光の散乱や吸収の影響により,対象物の色が地上で観測した場合と異なる.対象物の表面の色や反射率等の光学的情報を得るためには, 水中画像の色調補正を行うことが重要である.本研究では, 前報において水中画像の生成および色調補正が in-scattering 成分のみを考慮したものであったことを踏まえ, 改めて異なる光源下における光の散乱・吸収現象のすべてを考慮した水中画像をスペクトラルレンダリングにより生成し, 光の散乱・減衰の影響と RGB 画像の色調補正結果の精度を検証する. また, RGB 画像を対象としてスペクトルを考慮した色調補正を行う手法を新たに開発し, その精度を検証する.