抄録
カラー漫画の作成はイラストレータによる彩色工程が必須であるため,金銭面と時間面のコストがかかる.我々は以前,スクリーントーン画像とベタ塗り画像を入力とすることで半自動的に高精度な彩色を行う手法を提案した.これによりコストは削減されるものの,ベタ塗り画像は人手で用意しなければならないという問題が依然あった.そこで本研究ではインターネット上の彩色済みイラスト画像から自動的に学習用のスクリーントーン画像とベタ塗り画像のペアを作成する方法を提案する.実験では人手で学習データを用意した場合と比べてわずかに彩色精度で劣るものの,自動で作成したデータセットで十分に彩色モデルの学習が行えることを示した.