VR を用いたやり投体験システムの為の形状知覚特性の評価

抄録

陸上競技のやり投はその性質から特別な環境を必要とし，体験をすることが難しい．そこで，実際に競技で用いられる槍よりも短い長さの物理プロキシを用いた，仮想空間でのやり投げ体験の再現をめざす．その基礎的な調査として本研究では，形状知覚特性であるダイナミックタッチを用いて，物理的プロキシの質量特性を槍と合わせることで同等の感覚を得られるかを調査した．結果として，物理的プロキシの長さの違いによる長さ知覚に有意な差はなかったが，現実空間と仮想空間の比較では仮想空間の方が知覚される長さが有意に短いという結果となった．