抄録
意志とは無関係に眼球が痙攣したように動いたり揺れたりする眼振は,日常的にものを見るときに起こることもあれば,脳や耳などの体の異常から起こることもあり,眼振を診断することは病巣診断に役に立つ.現在,眼振の診断をするうえでビデオ眼振検査 (video-oculography:VOG)が用いられるが,現在の解析方法では,眼裂がもともと狭い場合や長い睫毛により瞳孔が隠れる,まばたきの影響などによる瞳孔の誤認識が問題であり,これらが安定した眼振検出に影響する.本研究では眼の部分を拡大して撮影された動画像から画像処理と機械学習を併用した眼振の自動検出法を開発し,その性能評価を行った.