2020 年 26 巻 p. 102-109
2019年9月9日,令和元年台風15号は,千葉県を中心に東日本に大きな被害をもたらした。そのうちの一つが2基の送電鉄塔の倒壊被害である。本論文では,この被害が発生した際の風速を推定するために,数値流体解析によって送電鉄塔の倒壊現場周辺の流れ場に対する地形の影響を検討した。さらに得られた流れ場に基づいて風荷重を求め,送電鉄塔の静的構造解析を行った。その結果,風向角146.25°において,地形の影響によって局所的に風速が増加し,風速40m/sで79号鉄塔が倒壊し始めるという結果を得た。