風工学研究論文集
Online ISSN : 2435-5429
Print ISSN : 2435-4384
地球温暖化が日本列島上陸時の台風の性状に及ぼす影響に関する研究
畔上 泰彦大竹 和夫田中 英之日下 博幸
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キーワード: 台風, 地球温暖化, 強風, d4PDF
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2022 年 27 巻 p. 126-133

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抄録

本研究は、database for Policy Decision making for Future climate change(d4PDF)の全球モデルの現在気候実験(HPB)、2℃昇温実験(HFB_2K)、4℃昇温実験(HFB_4K)データを用いて各実験での日本のエリア毎の再現期間50年、500年の風速と上陸時の台風の性状を調査した。その結果、日本の陸上ではHFB_4KはHPBに比べて再現期間50年、500年の風速がそれぞれ1.05~1.10倍、1.05~1.15倍となり、温暖化が進むと現在より強い風荷重が建物に作用する可能性があることが明らかとなった。またHFB_2K、HFB_4Kの日本上陸時の台風はHPBに比べ発達し、上陸エリアによって進行速度が遅くなるため、強風の継続時間が長くなることや台風中心付近の左側で強い風が吹く可能性がある。一方で、台風中心付近の右側では風が弱まる可能性もある。

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