2022 年 27 巻 p. 144-153
群馬県・埼玉県平野部エリアには約150台のPOTEKA気象観測装置が設置され、約1~2㎞間隔の地上稠密気象観測網を構築している。この稠密観測網データを利用したダウンバースト突風の予測アルゴリズムは、当該エリアで発生した気温低下型のダウンバーストなどの突風発生を事前検知することができた。また特に顕著であったF1・JEF1クラスのダウンバースト3事例について、突風被害発生可能性の高い予測領域と突風発生予測時刻を精確に予測することができた。突風予測アルゴリズムの精度検証を行った結果、閾値として定めた1分間に2℃の気温低下が適切であることを確認した。また、約1~2㎞の観測網稠密度により、突風発生前約30分の事前通知リードタイムの確保と予測領域の精確な絞込が保証されていることを確認した。