2022 年 27 巻 p. 19-27
LESの植生キャノピーモデルにおいて、樹冠でのkSGSの増加を考慮した1方程式モデルと、抗力項のみで評価されるSmagorinsky型の0方程式モデルを用いて植生のある流れ場の再現解析を行い、0方程式型の植生キャノピーモデルの歩行者風空間における風環境予測への適用性の検討を行った。二次元樹木を対象とした解析の1方程式モデルと0方程式モデルでは、kSGSの増加はわずかであり樹木後方の平均風速や風速の確率密度分布に与える影響は小さいことがわかった。農村部の屋敷林周辺を対象とした解析では、0方程式型の植生キャノピーモデルを用いても、樹木後方2.0hの位置で解析は風速の低減効果を再現し、観測と一致していた。