抄録
建築基準法と園芸施設施工標準仕様書の比較によって,両者の長所と短所を考察した。園芸基準では,風速の出現頻度は施設の供用期間や重要性から設計者が任意に決めることができ,合理的な考えを取り入れている。その一方で,速度圧の高さ方向の分布を表す係数の根拠が明確でないこと,内圧係数が与えられていないことなどの見直すべき項目が散見され,最新の知見を取り入れた方が良いと思われる。建築基準法では設計風速の出現頻度の設定に安全性の指標が明確に示されていない。建築物荷重指針がモデル標準として両基準の短所を補うように整備することが望ましいとする考えを示した。