抄録
鉄塔の耐震対策として、送電線を支えるV吊装置に有機がいしが設置されているが、有風時に高周波数の風騒音が発生することが問題となっている。本研究では有機がいしから発生する風騒音に及ぼす傾斜角度の影響を調べるために、風洞実験及びLESによる三次元流体解析とCurleの式による音響解析を実施した。笠径をD = 129、 155、 178 mm、傾斜角度を0゜から30゜まで変化させた。数値解析の結果、流れが笠前縁から剥離して生じる渦が風騒音の発生源であることを示した。また、笠径が小さくなるほど発生音の周波数が低下するが、これは笠径に依存するのではなく、先端の厚みに依存していることを明らかにした。