周期的に体積が変動する物体まわりの変動圧力の振幅は、体積変動の2階微分値に比例して変化すると言われている。このような例として、キャビテーションを発生した翼まわりの変動圧力が挙げられる。本論文ではキャビテーション現象をモデル化し、翼厚が時間的に変動することにより、翼体積が時間的に変動する場合に、翼上方にある有限平板上の点に生ずる変動圧について考える。まず変動する翼は九大で開発された簡便なパネル法“SQCM”によって求める。また平板を表す場合、次の3種類の計算方法を用いる。つまり正鏡像法、固体境界係数(solid boundary factor)を用いて平板が無い場合の圧力を2倍して変動圧力を求める方法、および翼上に有限平板をおいて変動圧力を求める方法である。第3番目の有限平板を利用する方法では、有限平板を翼とみなして、揚力面理論の一つであるQCMを用いて表し、翼間の相互干渉問題として変動圧力を計算する。そしてこれら3種類の方法により固体境界係数の有効性および変動圧力と翼厚変動体積の2回微分値との関係について考察を行う。