岸壁近くを航行する船の操縦運動

抄録

任意形状の岸壁近くを航行する船の操縦運動計算法を開発した。まず、従来理論的に不明確であった岸壁近くを航行する船の操縦運動方程式をポテンシャル理論の範囲で構築した。得られた運動方程式は、岸壁の存在による付加質量や岸壁吸引力の変化を合理的に含むことを特徴とする。その上で、剛壁自由表面条件の下、岸壁近くを航行する船体に作用する流体力を3次元パネル法で時々刻々求め、同時に操縦運動を計算するという新しい計算法を提案した。本計算法の適用例として、岸壁近くを航行するフェリー船型の操縦運動の結果を示し、実際的に計算できていることを確認した。