西部造船会々報
第108回西部造船会例会(西部造船会々報 第108号)
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アルミニウム合金材の繰り返し大変形曲げによる亀裂発生強度に関する研究(その2)
矢島 浩*山本 元道廣田 一博石田 欽也飯塚 智史
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p. 000012

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抄録

構造部材が座屈崩壊などの大きな塑性損傷を受けた後に,引き続き大きな繰り返し変形を受けると,数回から数百回の極低サイクルで亀裂が発・進展してしまい,大破壊事故の引き金になることがある。本報では,帯板試験片を用いた繰り返し大変形曲げ荷重下での亀裂発生試験ならびに有限要素法による弾塑性大変形解析を実施し,アルミニウム合金材の亀裂発生強度に関して定量的な調査・検討を行った。 亀裂発生試験は,初回繰り返し変位量とその後の繰り返し変位量の大きさを種々組み合わせて実施し,亀裂発生現象および亀裂発生・破断寿命などを詳細に観察・把握した。有限要素法解析では,数十%もの非常に大きな繰り返しひずみを受ける亀裂発生部の応力・ひずみ状態を詳細に把握するために,詳細な3次元ソリッドモデルおよび繰り返し大ひずみ範囲での材料定数を用いた。 亀裂発生試験および解析結果から,種々の大きさの初期塑性損傷(座屈損傷)およびその後の繰り返し変形を受けるアルミニウム合金材の亀裂発生・破断強度を統一的に取り扱うことのできる評価手法の基礎を確立した。

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© 2004 公益社団法人日本船舶海洋工学会
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