廃棄物学会誌
Online ISSN : 1883-8960
Print ISSN : 0917-0855
ISSN-L : 0917-0855
八丈町のデポジット
小宮山 建
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 10 巻 6 号 p. 396-398

詳細
抄録

八丈町デポジット事業は, アルミ缶, スチール缶, ペットボトルの飲料容器を対象にして1998年の9月1日に始まった。それは対象容器に識別シールを貼付し10円上乗せして販売した上で, 消費者が空き容器を回収店に返すと10円を払い戻す仕組みである。実施後1年を経た本年8月までの累計で, デポジットをかけた容器の総販売量は130万本, 総回収量は94万本となり, その回収率は72%に達した。販売した飲料容器が回収されるまでには1ヶ月前後の時間差があるため, 実質的にはデポジットをかけて販売した容器のほぼ80~85%が回収できていると推定される。
デポジットのきわめて高い回収効果が短期間に実証された。また, このデポジット導入を契機に島内の環境意識が一挙に高まり, ポイ捨てが減少しただけではなく, ゴミの問題への全島あげての取り組みが始まっている。

著者関連情報
© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
前の記事 次の記事
feedback
Top