廃棄物学会誌
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食品業界からみた容器包装リサイクル法の見直しについて
―経緯と評価―
高濱 正博
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2006 年 17 巻 4 号 p. 190-197

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抄録

容器包装リサイクル法の施行により, 容器包装の軽量化・薄肉化や容器包装廃棄物のリサイクルが進展し, 一般廃棄物の最終処分量の削減, 最終処分場の延命などの面で効果を発揮してきた。
今回の同法の改正は, 容器包装の3Rの推進, 効果的なリサイクルシステムの構築を図る上で一歩前進と評価できる。
今後とも, 現行の役割分担を維持しつつ, 各主体間の連携強化を図り, それぞれの役割を一層深化することが重要である。こうした観点から創設された「事業者による市町村への資金拠出制度」については, コスト低減に向けた市町村へのインセンティブが効果的に働くよう運用することが求められる。
プラスチック製容器包装廃棄物については, 新たに燃料への利用 (サーマル・リカバリー) を再商品化の手法として位置づけるなど, 再商品化の合理化が緊要である。
3Rに向けた事業者の自主的取組 (自主行動計画) の推進にあたっては, 事業者の創意工夫を尊重することが求められる。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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