廃棄物学会誌
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廃棄物会計基準の策定
―論点と課題―
藤井 美文
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2007 年 18 巻 4 号 p. 199-204

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抄録
2007年6月, 環境省は「一般廃棄物会計基準」を策定した。財政逼迫, 環境問題等の深刻な社会問題は, その解決を政府統治機能に多くを依存した仕組みから, 企業, 市民組織を含む諸アクター間でのパートナーシップや利害調整による解決構図への変革を求めている。一般廃棄物への新会計方式の導入は, 市区町村による廃棄物処理事業における問題を, 量の削減に加えて費用面でもより効率的で, より広範な関係者間で解決が図られることを狙いとし, 経営情報の報告と共有という視点から上記の変革を支える大きな役割を担ってきた会計方式を活用したものである。本論は, 一般廃棄物の会計基準が求められる背景を, 廃棄物領域固有の問題を含めて示すとともに, 一般廃棄物会計基準策定にあたっての論点を, 策定の意義・目的, 費目の構成, 費目分類と計算方法などに分けて示す。また, 同会計基準導入が問題解決の新しい流れをうみだすための課題についても言及する。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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