抄録
日本の海外援助資金供与は, 世界のトップに踊りではしたが, 廃棄物処理に関する援助の占める率は, 僅かに1%に過ぎない。しかも, 廃棄物処理計画を立案すべきコンサルタントの数も能力も, 世界の桧舞台にあがれる地位にはない。その原因には関連するコンサルタントの自己評価といった命題が第一にあげられようが, その他にも人材派遣といった地道な援助計画をすすめるにあたって, その多くを地方都市の公務員の短期的協力に頼らざるを得ないという人材不足があげられる。海外援助は基本的に国が直接これにあたるべきものとの主張をかねてから抱き続ける筆者は, 国際協力に専念しうる人材の台頭を強く望むとともに, 廃棄物研究財団などといった機関が, 恒久的人材の養成・派遣に積極的に立ち向うことを強く進言する。