女性学
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ディスカッサント 2
古川 直子
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2025 年 32 巻 p. 47-51

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抄録

 両氏の講演に対する筆者のコメントは、次の二点に関わるものであった。一点目は性別二元論批判の限界、二点目は「ジェンダーのない社会」というヴィジョンの行方についてである。第二波フェミニズム(佐藤氏の整理における「第二パラダイム」)は性別を階層秩序として捉え、ジェンダーのない社会を目指した。この視点は「女性学」の出発点となった。一方で、現代のジェンダー研究は多様なジェンダー・アイデンティティの共存を重視し、「自分の性別を選ぶ自由」を主張する。そこで重視されるのは、性別二元論への批判である。通説によれば、性別二元論批判はジェンダーの階層性についての指摘を発展させたものである。しかし、筆者はこの理解に疑問を呈し、これらの視点は根本において折り合わないのではないかと問いかけた。さらに、近年のジェンダー研究の主流たるヴィジョンは「ジェンダーを選べる社会」であって、「ジェンダーのない社会」ではない。しかし、「ジェンダーへの自由」と「ジェンダーからの自由」を同時に実現する道は、本来「ジェンダーのない社会」でしかあり得ないのではないか。筆者はこの視点から、「ジェンダーのない社会」というヴィジョンの再評価を提唱した。

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