日本女子大学理学部物質生物科学科
2021 年 52 巻 p. 33-48
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様々な文献を用いて,UVを表す死語「菫外線」の使用時期や言葉の性質,不使用となった理由などを検討し,以下のような結論を得た.「菫外線」は明治末期に日本の科学とともに生まれ,戦前・戦中を通じて学術色の強い言葉として「紫外線」と共存し,当時の国語辞典や百科事典に記載され,上田敏や宮沢賢治,長岡半太郎にも使われた.しかしながら,GHQの下で告示された当用漢字に「菫」が含まれなかったこと,そして,日本語の「紫色」がもともと「菫色」も包含していたことから,戦後,急速に廃(すた)れていった.
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