薬局薬学
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自転公転懸濁法による内用固形製剤の経管投与に関する研究
松村 久男飯田 美奈子鈴木 友也初谷 健太郎小笠原 健人吉田 拓海栗田 拓朗藤掛 佳男中島 孝則松田 佳和
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2020 年 12 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

粉砕法や簡易懸濁法に代わる新しい経管投与方法の開発を目指し,卓上の軟膏調剤・製剤機(自転・公転ミキサー)を内用固形製剤の懸濁(以下,自転公転懸濁法)に応用した.常水(温度24±1℃)20 mL の中に錠剤を投入し自転公転懸濁すると,内用固形製剤の多数は5分以内で崩壊懸濁化と経管栄養チューブ通過を認めた.しかしカプセルは通過できなかった.自転公転懸濁による薬剤安定性への影響が懸念されることから,メバロチン® 錠10 の主薬を定量した.その結果,主薬のプラバスタチンナトリウム含量に著しい低下は認められなかった.以上のことから,自転公転懸濁法は常水(温度24±1℃)中でも錠剤を崩壊懸濁および経管栄養チューブ通過をさせる懸濁法の一つであると考えられる.

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© 2020 一般社団法人 日本薬局学会
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