2020 年 12 巻 1 号 p. 1-12
一般的に,保険薬局薬剤師は漢方薬に対して関心がそれほど高くない.このため,患者や地域住民の関心が高いにもかかわらず,今まで積極的には関わってこなかった.しかし,今後は「かかりつけ薬剤師」や「健康サポート薬局」として患者や地域住民と深く関わるため,当然,漢方薬に対する正しい情報を提供する必要がある.今回,筆者のこれまでの漢方薬に関する活動,「かかりつけ薬剤師」としての漢方薬の情報提供・処方提案・啓蒙活動,スタッフや薬学生への漢方教育に至るまでを解説し,加えて漢方薬・生薬認定薬剤師についても紹介する.今後は,漢方薬に対しては薬剤師が積極的により関わらなければならない分野だと思われる.多くの薬剤師が漢方薬に関心を持つことで,患者の苦痛を取り除き,かつ地域住民の健康維持などのために保険薬局領域においても発展するよう願う次第である.