2020 年 12 巻 2 号 p. 122-128
粉砕法や簡易懸濁法とは異なる新しい経管投与方法として,試験管ミキサーによる内用固形製剤の懸濁法(以下,ボルテックス攪拌懸濁法)を開発した.24±1℃の常水 20 mL 中でボルテックス攪拌懸濁法を行うと,多くの内用固形製剤は 5 分以内で崩壊懸濁し,8 Fr. 経管栄養チューブ(以下,チューブ)を通過した.簡易懸濁法の適用には,フィルムコーティングの破壊が必要とされる錠剤について,フィルムコーティング錠のままでボルテックス攪拌懸濁法を行ったところ,崩壊懸濁しチューブを通過した.カプセル剤は,24±1℃の条件ではチューブを通過しなかった.以上のことから,ボルテックス攪拌懸濁法は 24±1℃の常水中でもカプセル剤を除く内用固形製剤を崩壊懸濁し,チューブ通過をさせることができ,特に,フィルムコーティング錠において,有用性の高い懸濁方法であると考えられる.