2020 年 12 巻 2 号 p. 129-134
交付された処方せんは,比較的病院の近くにあり患者の利便性が高い,門前薬局に持ち込まれることが多い.近年,厚生労働省は,かかりつけ薬局の利用を推進している.そこで本研究は,保険薬局はどうあるべきか,患者は何を基準に保険薬局を選択しているのかを明らかにするために,アンケート調査を実施した.その結果,保険薬局を選ぶ基準として,「場所(立地)」と回答した方が最も多い結果となったことより,かかりつけ薬局の利用が推進されているものの,いまだ病院に近いという立地条件を保険薬局の選択基準としている方が多いと考えられる.また,かかりつけ薬局に求めるものを調査したところ,「対応が親切,丁寧である」という意見が多かった.これらの結果より,患者から選ばれるかかりつけ薬局になるためには,医薬品,健康などに関する知識は当然のことながら,患者ニーズに沿った相談に応じることが重要になると考えられる.