薬局薬学
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Print ISSN : 1884-3077
症例・事例報告
ざ瘡患者へのSMSフォローアップと医師への情報提供に関する後ろ向き調査
島貫 英二 河手 勇人藤吉 勇二宮原 舞子林 寛也百合野 里志
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 16 巻 1 号 p. 85-91

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抄録

本邦では,アダパレン,過酸化ベンゾイル外用薬などが承認され,2017年に治療ガイドライン整備もあり,ざ瘡治療は前進した.しかし,急性炎症期で治療中断があり,維持期まで治療継続するケースは8.9%との先行研究もある.調剤後の薬剤師によるフォローアップは主に電話で行うが,ざ瘡患者では修学時間または就業時間が障壁となる.今回,ショートメッセージサービス(SMS)でフォローアップした事例を調査し,その詳細と医師への情報提供と調剤継続等を検証した.結果,60.4%の患者からSMS回答があり,薬剤師がフォローアップしていた.患者同意を得て,医師への情報提供あり群では2回目調剤ありが69.9%,情報提供なし群では30.2%となり,統計的に有意な差があった(P<0.001).本調査で,ざ瘡患者へのフォローアップ手段としてSMSの可能性を見出し,医師への情報提供を行うことの必要性を確認した.

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© 2024 一般社団法人 日本薬局学会

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